警備業の担い手は高齢化の一途!幅広い年齢層の力を活かす方法を考えよう!
さまざまなところで日本の高齢化について語られています。特定の業種や職種の高齢化も深刻になっており、警備業はその代表的な業界といえるでしょう。
若い人材の確保も重要ですが、抗えない高齢化を受け入れ、むしろ高齢者の力を活かす方向へと考え方を変えることも重要です。
ここでは、警備業の高齢化の実態や高齢者の力を活かすための方法について解説します。
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警備業界は超高齢社会
そもそも高齢化社会とは、どのような状態なのでしょうか。
国連の報告書によれば65歳以上は高齢者に分類され、その高齢者の割合が全体の7%を超えると「高齢化社会」と呼ばれます。高齢者の割合が14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と一般的に表現される点も押さえておきましょう。
では、警備業界はどうなっているのでしょうか。警察庁生活安全局生活安全企画課が発表した「令和2年における警備業の概況」をみると、警備員の構成比率は65〜69歳が全体の14.8%、70歳以上が17%となっています。つまり65歳以上が全体の31.8%を占めるため、国連の報告書などを元に考えれば警備業は超高齢社会であるといえそうです。
警備業の担い手に若者が少ない理由
警備業界が超高齢社会であることは、数字からも明らかです。
では、なぜそのような状態になっているのでしょうか。3つのポイントに焦点を当てて考えてみましょう。
労働力人口に占める若者の割合が減っているため
そもそもですが、業界にかかわらず日本では労働力人口に占める若者の割合そのものが減っている現状があります。15〜34歳までの労働力人口を特に「若年労働力人口」と呼びます。この若年労働力人口は1997年には2270万人おり、総労働力人口の33.4%を占めていました。ところが2007年になると2035万人となり、総労働力人口に占める割合は30.4%まで減少。さらに2017年には1711万人まで減り、総労働力人口に占める割合は25.5%と、極端に減少しています。
若年労働力人口が減ったとしても、総労働力人口に占める割合がかつてのように30〜40%あれば、人手不足はそこまで深刻にはならないでしょう。しかし、若年労働力人口の割合が極端に減ると、業種に関係なく働き手そのものの確保が難しい状況となってしまいます。
さらに日本は出生率が低下している点も無視できません。子どもが生まれなければ、今後はさらに若年労働力人口の数も割合も減ることになるのです。働ける若者が減るこの傾向は今後も続き、若い労働力の確保は多くの業界にとって課題となるでしょう。
警備業の先行きに不安を感じているため
ここからは、警備業界に焦点を当てていきます。人手不足となってしまう理由の一つに、賃金があると考えられるでしょう。
警備業の賃金をみると、アルバイトやパートは平均時給が1000円以下、派遣社員の平均時給は1300円前後、正社員の平均年収は300万円台前半と、他の業界や職種と比較しても決して魅力的であるとはいえません。
実際には事業所ごとに格差があり平均賃金を大きく上回る事業所も少なくはありませんが、平均の数字だけを眺めると、やはり多くの求職者に「賃金が安い」と感じさせてしまうでしょう。
また、警備業は未経験でも始められるため採用条件は決して厳しくはありません。求職者にとってはメリットとも感じられますが、将来性という点ではネガティブに捉えられることも多いでしょう。「誰にでもできるから賃金も安いまま」というイメージをもたれやすいのです。実際には資格を取得することで昇格や昇給を目指せる業界であるにもかかわらず、そのようなイメージが特に若者に浸透していない実情があります。
さらに、AIの進化により警備員が不要になるのではないかと考える若者も多いようです。若い世代はAIに取って代わられてしまう職種をわざわざ選ぼうとは考えないため、将来性がないと判断されてしまうのでしょう。確かに警備業界にもAIやロボットは参入し、導入する企業や施設も増えてきています。
しかし、警備業のすべての業務をAIなどが担う未来はおそらく訪れないでしょう。それほど単純な仕事ばかりではないからです。人の力や知恵、対応力は不可欠であり、今後もそれは変わりません。若者に対しては、このような点を理解してもらう必要があるでしょう。
ネガティブなイメージを持つ人が多いため
将来に関してのみならず、警備業そのものにネガティブなイメージを抱く若者も少なくありません。
警備業には体力が必要であり、また、夜勤による生活の不規則化を嫌って警備業を避ける人も多いでしょう。
しかし警備業と一言でいっても実際にはさまざまな種類や現場があり、その働き方も実にさまざまです。仕事内容や勤務時間に関して、他の業種と比べて極端に大変であったり不規則であったりしないことも珍しくはありません。
警備業に携わる人であれば当然のこのような実態を、若者たちは一切知らないのです。
賃金が安いというイメージも同様です。確かに平均賃金をみれば警備業は安いと感じさせてしまうでしょう。
しかし、これも雇用形態や事業所によって大きな差があります。高齢者が多いイメージも定着しているため、同年代の仲間がおらず働きづらいと考える若者も多いのではないでしょうか。
これもやはり、労働環境や仕事内容によって年齢の構成が異なることが世間一般に知られていない結果です。
警備業で高齢者の力を活かす方法とは?
避けることはできない高齢化社会では、高齢者の力の活かし方を考える必要があります。
年金受給開始年齢が引き上げられることにより、今後はますます高齢者の力が重要になってくるでしょう。警備業は資格不要で働けるため、勤労意欲のある高齢者の受け皿にもなり得ます。
高齢者にとって満足・納得のいく職場となれば、例えば早期退職する50代や正規雇用された経験のない40代や50代も、将来を見据えた働き口として注目するようになるでしょう。
高齢者にとって働きやすい職場とは、例えばAIやロボットを積極導入し、体力的に負担が少なく無理なく働ける環境が考えられます。
また、女性労働者や若年労働者の雇用にも可能な限り力を入れるべきでしょう。これも高齢者の負担を軽減させながら適材適所に配置するための取り組みの一つとなり得ます。
さらに日常的な健康管理を取り入れたり、モチベーションへとつながる賃金や福利厚生などの待遇を向上させたりすることも有効に働くでしょう。
高齢者をうまく活用すれば人手不足も解消できる
警備業界は慢性的な人手不足に悩まされています。しかし、今後も増え続ける高齢者の労働力を活用できれば、人手不足を解消することができるでしょう。
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