【募集・採用の基礎知識①】求人募集を始める前に!求人広告の書き方解説
出典:公益社団法人全国求人情報協会「募集・採用の基礎知識」
目次[非表示]
- 1.掲載計画のスタート
- 1.1.業務を作業単位で箇条書き
- 1.2.仕事の周辺状況も列挙
- 2.募集ターゲットを設定
- 3.募集主の責任
- 3.1.求人募集は的確な表示を
- 3.2.雇用スタイルのいろいろ
- 3.3.雇用を結ばない業務委託
- 4.まとめ
掲載計画のスタート
まずは仕事内容やターゲット像、応募要件の設定など、何を書いたらいいのかを整理します。
その中でもとりわけ大切なことは「仕事内容」です。
求職者が求人広告を見て仕事を探す際、「自分がその職に就いた時の姿がイメージできるか」ということが大切なポイントになります。
業務を作業単位で箇条書き
営業職であれば「どんな商品を」「どんな顧客に」販売するのか、「ライバルは」「商談をスムーズに運ぶコツは」など、「なにを」「どのように」「誰に」わたす仕事なのかをしっかりと作業レベルにまで落とし込んで書くことが有効的です。
仕事をするときの服装、使う道具やツールなどを出来るだけ細かく、箇条書きで完結に書けるように整理しておきましょう。
作業単位の箇条書きを基に、この業務をこなすために本当に必要な要件とそのレベル「スキル」「業務経験」「学歴」「知識・資格・検定・免許」などを定めておけば、
「元気にコミュニケーションできれば経験不要」「学歴より業務経験重視」といった要件の優先順位付けができるようになります。
仕事の周辺状況も列挙
労働条件はもちろん、募集職種や職場の同僚・上司にはどんな人がいるのか。休憩時間中や勤務終了後の過ごし方、同僚や取引先の逸話、職場での過ごし方など仕事以外の部分も見直してみましょう。
待遇や福利厚生に現れない条件をアピールしてみると、他の求人との差別化もはかれます。
募集ターゲットを設定
募集ターゲットを明確にすることで、求人広告で訴求するポイントが明らかになり、選考や面接の効率をあげることが出来ます。
デキる社員像を思い浮かべるなどして、具体的に採用したい人のイメージを想定しておきましょう。その際、「性別」や「年齢」だけを要件とするのではなく、「適正」と「能力」を基準にして考えてみてください。
限定した募集の際は、本当に必要な要件か見極めを
募集対象を限定する場合は、就業の上で本当に必要な要件なのかを見極める必要があります。
・煙草を吸わない人
・メガネをかけている人
・明るい元気な人
など、こういった要件は業務を行う上で本当に必要な要件なのでしょうか?
喫煙者でも「業務時間内や敷地内では吸わない、お客様には明るく接することが出来る」という求職者もいるでしょう。無理に限定する必要はないかもしれません。
条件を限定する場合は、本当に必要な要件だけを書き出し、応募の門戸は出来るだけ広くするように心がけましょう。
募集主の責任
求人募集は的確な表示を
職業安定法では、職業選択の自由や均等待遇がうたわれており、募集主は従事する業務内容や賃金、勤務時間、その他労働条件を明示しなければならない(第5条の3)
求人広告に掲載する際は、的確に表示するように努めなければならないこと(第42条)など様々なことが法律により定められています。
誇大広告や虚偽の内容ではないのかと疑われないように、応募者に対し募集主の責任を誠実に果たしましょう。
雇用スタイルのいろいろ
正社員やパート、アルバイト、契約社員、派遣社員など、雇用形態には様々な呼び方がありますが、法律的に定義されているわけではなく、大きな違いは「勤務時間」にあります。
フルタイムかパートタイムか、さらには「雇用契約の期間の定めがあるかないか」によります。また、派遣元事業者が無期雇用派遣労働者を募集する際は、その旨が伝わるように明記しましょう。
雇用を結ばない業務委託
業務委託や内職、フリーランスなどの個人事業主として働くスタイルを「契約社員」「準社員」と呼称する場合があります。アルバイトだと思って募集すると、実際は業務委託だった、といったトラブルに発展してしまうこともあるので、雇用契約を結ぶものと混同されないような表示をするようにしましょう。
なお、呼称に関わらず、出社や勤務の義務がある場合などは、実態は雇用と判断されることもあります。
まとめ
募集主は求人広告に掲載して求職者を募集し、求職者は求人内容をみて応募します。面接や雇用契約の際に求人内容と差異があるとトラブルの原因にもなり、離職率も高くなってしまいます。
待遇や福利厚生はもちろん、仕事内容も出来る限り簡潔に、箇条書きで表示することで、求職者は自分が就業した際のイメージがしやすくなります。また、職場の雰囲気や同僚、上司はどんな人なのか、周辺環境なども記載し、仕事内容以外の部分をアピールすることで他の求人との差別化もはかることができます。
働き方改革によって働き方が多様化する今、雇用条件など変更された部分はスグに修正し、応募主と求職者の認識に差異の無い求人を表示できるよう心掛けましょう。