【募集・採用の基礎知識⑦】面接官として挑む。面接でのタブーを覚えよう
出典:公益社団法人全国求人情報協会「募集・採用の基礎知識」
面接は入社前に求職者と直接話し合いをする大切な機会です。求職者のことを色々と知りたくてつい踏み込んだ質問や情報を聞いてしまっていませんか?
面接で気を付けるべき注意点や求職者に対する気遣いなど、面接官として知っておきたいことをご紹介します。
面接を行う上で
対等な立場で臨む
面接は実際に求職者と会って話をすることで「業務適性や能力」「人となり」などの総合評価を行う機会です。仮に苦情やクレーム対応能力、耐性の判断をしたくても圧迫的な態度をとって本来の姿を見失ってはいけません。人権侵害やパワーハラスメントと取られる可能性もあるため注意が必要となります。
人権や差別に対する見解と配慮、観察力や客観的な判断力をフルに発揮して判断するようにしましょう。
身辺調査は避ける
・応募者の居住地
・家庭環境
・思想・信条
これらの項目を調査することは身辺調査にあたり、公正な選考とはいえません。応募書類の記載事項以外について知りたいことがある場合は、面接時に直接本人にききましょう。
質問は慎重に
次のような項目を聞くことや、応募者専用エントリーシートなどを用いて記載させることは人権侵害につながるおそれがあるため避けましょう。
・人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地
・人生観、社会観、生活信条、支持政党や宗教など、思想・信条
・労働運動や学生運動、消費者運動などの社会運動歴
・家族の職業や収入、住宅事情、資産などの家庭環境や家族構成
1999年労働省告示第141号においても、人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想および新庄、労働組合への加入状況に関する個人情報について基本的に収集してはならないとしています。
話しやすい雰囲気づくりを
まずは、面接に出向いてくれた応募者へのお礼、担当者自身の自己紹介からスタートします。
応募者は緊張した状態で面接に臨むため、「今朝はなにをしましたか?」や「どうやってここまで来ましたか?」など、応募者が話しやすい話題から話を切り出すと緊張もほぐれ、話しやすい雰囲気で面接もスムーズに進められます。
まとめ
面接を行うことは、応募者のことを知る機会はもちろん、自社を知ってもらうチャンスです。いい人材に巡り合えたとしても「面接官の態度が威圧的だった」「根掘り葉掘り聞かれた」など印象を悪くもたれてしまっては採用することはできません。
人権侵害にあたる質問事項や圧迫面接など、応募者のことを知りたいとはいえ本質を見失った面接をおこなってはいけません。話しやすい雰囲気づくり、相手のことを気遣うことを心掛け、お互いが気持ちのいい面接だったと思えるように臨みましょう。